令和2年に開窯したフレッシュな窯ながら、窯元の川岸さんは作陶歴40年。

その品々には、つい頬がゆるんでしまうような、安心感でうっとりするような、柔らかく心地よい風合いがあります。優しい色のぽってりした器、丸みを帯びたフォルムでどこか間の抜けた表情を見せる動物の置物たち。そのどれもが、川岸さんの人柄を映しているようでもあります。

川岸さんが口にする言葉に帯びるのは、老練な職人とは思えない穏やかさ。「越前の土は扱いやすくて、今でも助けてもらってる」「動物も作るけど、純真無垢に作る子どもには勝てないなぁ」「お客さんと話すのは楽しい、ひとりだと凝り固まっちゃうからさ」そう語る川岸さんが心掛けるのは、厚みがあって軽いこと。温もり感じる、食卓でも扱いやすい、まさに暮らし助かる器です。